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(002) 楠原さん、高松さん、第2回VIGゴルフ西日本大会で準優勝。(2005. 5. 22〜23)

 第2回VIGゴルフ西日本大会が5月22日(富士カントリーゴルフクラブ)、5月23日(鷹羽ロイヤルカントリークラブ)の両日開催されました。
 この大会は視覚障害者のみなさんが日頃鍛えたゴルフの腕を競うもので、筑豊はもとより県外各地(遠くは韓国・長野など)からも多数の参加者がありました。
 楠原さん、高松さんも満を持して参加しました。
 成績はつぎのとおりです。

     5月22日(富士カントリーゴルフクラブ)
      B2クラス
        第2位  楠原 宏和
     5月23日(鷹羽ロイヤルカントリークラブ)
      クラスわけなし
        第2位  高松 久

 おふたりとも謙虚に2位入賞ですが、次回大会では頂点をめざしてほしいですね。

   視覚障害者のゴルフ (大会パンフレットより借用しました)
 視覚障害者がゴルフをする? 疑問に思われる方が大多数ですが、実社会ほどの障害はありません。止まっているボールを打つ競技ですから簡単です。かえって、見えないことがプラスになることもあります。例えば、打球が見えないためヘッドアップしない、ハザード等(OB杭、池や谷)のプレッシャーがかからないことです。
 ゴルフはキャディの協力のもとにプレーを進めることが許されていますので、私たちもキャディからの情報をもとにプレーを進めます。具体的には以下のとおりです。
 ティグラウンドでは打球方向にスタンスを定めてもらい、打った後は打球地点まで誘導してもらい、2打地点でのグリーンまでの距離等の情報を受けてクラブの選択をする。球がグリーンに乗ったらホールまでの距離や傾斜を二人で確認してパットラインを出してパッティングする。
 以上のように視覚障害者のゴルフは健常者の目助けを受けて、二人一組でプレーする競技です。(以下、省略)

  ※ VIG ・・・ Visually Impaired Golfers(視覚障害のあるゴルファーたち)  


 大会の様子を伝える2005年5月23日付け 西日本新聞と第1日目の記念写真。
 記念写真の前列の右端が楠原さん。右から3人目に高松さん。
 楠原さんの後ろにガイドキャディをつとめた奥さんの顔も見える。


 お互いに親友であり、よきライバルでもある高松さんと楠原さんに、ゴルフとの出会いから現在にいたるまでの苦労話やら、ゴルフへの思いなどを話していただきました。

  − ゴルフはいつごろから始められたのでしょうか?
 <高松>  始めたのは、2年半くらい前になりますね。あるきっかけがあって、「ああ、視覚障害者でもゴルフができるんだ」ということを知って、楠原さんも誘った。
 <楠原>  その高松さんが大変入れ込んでいましたので、この人には負けられないという気持ちも強かったですね。   

  − そのゴルフを始めるきっかけとはどんなことですか?
 <高松>  視覚障害者ゴルファーズ協会というのがあることは、私も楠原さんも同窓会(国立福岡視力障害センター同窓会)の会長から聞いて前から知っていました。「その九州支部長が田川におられる。紹介するからゴルフをやってみたら」といわれて。それで支部長さんに連絡してみたら、すぐに直方まで飛んできてくれて、すぐ河川敷に行ってクラブを振り回した。「止まっているボールを打つんだ。なんのむつかしいことがあるものか」なんていわれてね。
 もともとゴルフはテレビでよく見てて、興味をもっていた。自分がするなんて思ってもいなかったけど。それで、すぐゴルフに飛びついた。楠原さんやほかの人も誘ったんです。
 <楠原>  私も以前から同窓会の会長さんからゴルフを勧められていたんです。それでゴルフをやろうかなと思い始めていました。そんなところに高松さんから「みんなでいっしょに始めようよ」と誘われて、これで決まりですね。でも若いころはゴルフにはまったく興味がなく、ある意味で偏見さえもっていました。それがいろんな人の熱心な勧めで始めることになって。今はどんどんのめりこんでいく自分が怖いくらいです。  

  − まともにボールが打てるようになるまでには、苦労されたでしょうね?そのころを思い出してひとこと。
 <高松>  ほんと、最初の半年くらいは空振りはするは、地面はたたくはで、たまに当たれば(球にじゃないです、ときたまです)、どこに飛ぶかは球に聞いてという風でした。今ぐらいに打てるようになったのは、それから1年くらいしてからです。
 <楠原>  わたしもそりゃあもう大変でした。地球を思い切り叩いたり、となりの人に当たりそうになったりで、今でもまともに当たるのは50%くらいですよ。でも空振りをすることはないです。

  − ナイスショットをするために、技術的にとくに気をつけていることはどんなことでしょうか?
 <楠原>  まだコメントできる立場じゃあないですけど、ひとこといわせてもらえば「距離感をしっかりつかみクラブを選択する」ということでしょうか。
 <高松>  スイングするときできるだけ力を抜くことかな。
 <楠原>  同感ですね。これが一番大切かもしれない。力んで振り回したらろくなことがない。



力感あふれる高松さんのスイング ナイスショット、楠原さんのアイアン



  − ゴルフのむつかしさやおもしろさについて、ひとこと聞かせてください。
 <高松>  ゴルフは変なことを考えてプレーしたら、とたんに失敗するスポーツですね。力が入ると失敗するのと通じるところがある。そういう意味で「精神修行のスポーツ」だと思う。
 <楠原>  とにかく思うようにならないところがむつかしいし、おもしろいところでもある。やはり、ボールがカップに入ったときの音は気持ちいいですよー。それといい汗をかいたあとのビールは最高ですよ。どうしても最後はそこにくるけど。高松さんもいっしょでしょう。
 <高松>  そうそう。でもビールはおいしいけど、体重が増えるのがねえ。

  − 練習でもコースでもいいですが、失敗談や自慢話があれば聞かせてください。。
 <楠原>  大体、ゴルフを始めたこと自体が失敗かもしれません。自慢話らしきものはあまり持ち合わせがないですよ。練習コースのパー3のホールでピン横20cmにワンオンして、あわやホールインワンしかけたことくらいです。バーディーでしたけど。5月22日の準優勝はこれは自慢できません。ハンディに助けられた結果です。
 <高松>  自慢話なんて思いつかないな、失敗談はいろいろあるけど。ナイスショットをできたと思ったのに、ボールが排水溝に飛び込んで消え去ったり、150ヤードをワンオンできた当たりが、途中の電線に直撃して、80ヤードでポトリと落ちたり。トップスコアで最終ホールまで来て、「勝った」と思ったとたんに池ポチャなんてこともあった。

  − ガイドキャディとコミュニケーションをとるうえで心がけていることはなんですか?
 <楠原>  われわれ視覚障害者のゴルフはご存知のとおり、ガイドキャディーと二人三脚で行うスポーツです。ですからお互いの信頼関係が一番大事なことはいうまでもありません。
 <高松>  そう、信頼関係ですね、大切なのは。私の場合、グリーンでキャディさんが残り何メートルと教えてくれても、必ず自分で歩いて自分の感覚で確認するようにしています。ひとこと断ってからですが。その辺もお互いの信頼関係があればこそですね。
 <楠原>  わたしの場合、ガイドは家内がやってます。これがまた、ゴルフのゴの字も知らない人で。この前なんか残り20ヤードのところを、あと100ヤードと教えるありさまで。まあ成績が悪かったときの言い訳にはなりますけど。心がけることといえば、ゴルフの二日くらい前から家内のご機嫌を損ねないよう、細心の注意をはらっとります、はい。
 どなたかガイドキャディをしてくださる方はいらっしゃいませんかー。

  − 現在、どれくらい練習をしていますか。
 <高松>  週3回くらい、打ちっぱなしで250球くらい打っています。送り迎えを隣の姉に頼んでいるけど、遅くまでようこき使うと怒られてます。それと月1回はショートコースを回っています。
 <楠原>  週1回程度、練習場に子供と通っています。あとは、高松さんと同じで、月1回田川の練習コースでのプレーですね。

  − これからの目標とか夢といったものを聞かせてください。
 <高松>  国内では年に10回くらい、視覚障害者の大会が開かれています。その中で1回くらいは優勝してみたいです。またワールド大会もあるみたいなので、一度でも出場してみたい。これはホントの夢かもしれないけど。
 <楠原>  ライバルの高松さんが腕をあげているので負けられないけど、まああんまり欲張らずマイペースでいきたいと思っています。

   私も若いころすこしゴルフをかじりましたが、才能がないのですぐにやめました。ゴルフはむつかしい。そのむつかしいゴルフに挑むお二人に拍手をおくります。
 多分、半分は汗をかいた後のビールがうまいことも、クラブを握る理由でしょう。 いいですね。ジョッキを握った恰好がさまになるご両人に「乾杯!」



ラウンドパートナーといっしょの楠原さんご夫妻 ホールアウト後、笑顔の高松さん
  
 
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