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一泊例会集合写真
 平成27年一泊例会
  国東半島の宗教文化と、いにしえの民の生活にふれる旅
・日時 平成27年11月14日(土)〜15日(日)
・参加者 18名
(うち障がい者6名、子ども0名)
・天候 (1日目)曇りときどき雨 (2日目)曇りのち晴れ
・行程 〔1日目〕  田丸さん宅 8:30→(九州自動車道・東九州自動車道経由) →宇佐IC→豊後高田市西叡山高山寺参拝 11:00
→西叡山登山開始 11:20→山頂(昼食)11:45〜12:20
→登山口 12:50→元宮磨崖仏 13:25
→穴井戸観音 13:40〜14:10→田染の荘 14:20〜14:45
→真木大堂 14:50〜15:20→三宮の景 15:25〜15:40
→梅園の里(泊)16:10

〔2日目〕  朝食→宿舎出発 8:00
→両子寺 8:20〜9:50→安国寺集落遺跡公園 10:15〜11:20
→ペトロ・カスイ岐部記念公園 11:45〜11:55
→道の駅「くにみ」12:00〜12:30
→茶房「さんがいや」(昼食)12:35〜13:15→宇佐IC
→(東九州自動車道・九州自動車道経由)
→直方・田丸さん宅帰着 16:15
毎度おなじみ、例会日の天気にまつわるドタバタは、今回の一泊旅行も無縁とはいきませんでした。一週間も前から土曜日の予報は芳しくない。雨を覚悟して、計画を 予定どおり進めるため、レインコートの用意から、直前の金曜日の夕方には登山靴の準備までお願いしました。出発する前から、大変お騒がせいたしました。

こうして迎えた出発当日、福岡は雨は降っていない。国東半島も気象庁のレーダー観測によれば、雨雲らしい雨雲はなさそう。予報でもわれわれが着くころ以降は、 曇りとか。みんなのホッとした思いとともに旅が始まりました。

マイクロバスが出発して、まずイオンで昼食の弁当の受け取った後、一路車は国東へ。みんなの顔合わせのあいさつが終わるのを待ちかねたように、会長差し入れのお飲み物の 配給です。缶ビールを開くプシュッという音があちこちから聞こえる。いつものことながら、こうして飲むビールは最高にうまい。安心して飲めるように、梅原さんが 合流した今川PAに始まり、トイレ休憩も随時入れながら。でも今回の旅では自己規制も働いていたようで、いつもより量は少なかったように感じましたが。

11時ころ、今日の登山の起点となる高山寺に到着しました。西の比叡山を意味する西叡山の山号を持つ名刹です。急な参道を上り本堂で参拝した後、そのすぐ裏にある 登山口に立ちました。案内の看板には小田原森林公園とある。予定の山を変更したので下見ができておらず、一抹の不安が残る。しかし、「公園」の名がついているし、ネット 検索でも難所らしい箇所はみつからなかった。それを信じて登り始める。いきなりの急な階段の上り、おまけに苔が路面を覆っている。しかし、歩いてみると滑る感じは なく一安心です。以後、ゆるやかな坂を交えつつ上りは続く。道幅は広く歩きやすい。落ち葉を踏みしめる音と足に伝わる感触も心地よい。みんなのおしゃべりもはずむ うち、30分たらずで山頂に着きました。

山頂はガスっていました。展望台もありましたが、下界はまったく見渡せず。これから行く田染方面が見えるかと思っていたのになあ。となると、後は昼食を 食べるのみです。油をあまり使っていないヘルシーな弁当を、おいしくいただきました。

集合写真に、にこやかな顔でおさまってから下山開始、上りとは別ルートをとりました。やはり急な下りはあるが、滑るようなこともなくよかったですね。ただ階段の丸太 部分はもろに足を置くと滑って危ない。階段の下りには一歩一歩神経を使いました。30分少々で駐車場に帰着。
短時間の登山で、歩き足らない思いをした方もいるかもしれませんね。ただ後に観光をひかえているし、心配した雨に降られることもなくて、まずいい山登りだったのでは ないでしょうか。ただ紅葉がまだ盛りでなかったことが、少し残念でしたね。

車で走ること約15分で田染地区に着きました。この付近にこれから訪ねる観光スポットが集まっています。まず元宮磨崖仏。自然の岩の壁に仏様を半肉彫りで刻んだ、 国東の仏教信仰のひとつの形にふれた後、すぐ近くの穴井戸観音へ。名前から推察されるように、洞窟の中に観音様が安置されています。ふと気づけば空模様が少々 あやしいが、ともかく洞窟の中へ。天井からは年中、水がしたたって観音様にかかり、別名、ぬれ観音の名があるとか。湧き水も流れていて、その昔、六郷満山の開祖と いわれる仁聞(にんもん)菩薩が旅の途中、この水で喉をうるおしたことから、仁聞の隠れ水の名があります。また知恵の水とも呼ばれ、頭につけると知恵がつく そうです。みんな熱心に頭に水をつけていましたね。頭の毛が生えてくるかなあ、という声がありましたが、それはないでしょう。洞窟を出てみると、雨が本降り になっていました。ああ、無情。ともあれ、次の目的地、田染の荘へ。

田染の荘は、平安時代から鎌倉時代の農村集落の様子が今に残っていることから、国の重要文化的景観に選ばれています。そんな田んぼの中をゆっくり歩けば、心なごむ ものがあるだろう、ということで旅のルートに入れてみました、雨が降り続く中、レインコートをまとい出発。しばらく歩くと遠くに鳥居が見えます。この鳥居の近くの湧水を 使って、この地区の水田の開発が始まったとか。ということは、今みんなが立っているのはこの地区の水田発祥の地であり、当時の風景に近いものを見ていることに なります。しかし雨は降り続く。さてこの後どうする。この雨では心なごむもなにもありませんね。衆議一決、以後はパスして車に帰ることになりました。まあ、田染の荘 散策の肝になるところは体感してもらえたので、よしとしましょう。

次はカカシの大群が迎えてくれる真木大堂へ向かいます。ここには国の重要文化財の仏像9体が展示されています。みんな、水牛にまたがった大威徳明王像や藤原時代の作である阿弥陀 如来坐像などに、熱心に見入っていましたね。時間はたっぷりありますよ。心ゆくまでどうぞ。
真木大堂のすぐ近くに三宮の景という景勝地があります。耶馬渓を思わせる奇岩、奇峰に紅葉。景勝地のはずだったんです。しかし奇岩はいいとして、紅葉の方がイマイチ。 観光客らしい姿もひとりとして見当たらない。楽しみにしていた人もいる三宮まんじゅうの店も閉まったまま。下見に来たときも営業していなかったけど、もう つぶれたのかな。あれやこれや期待外れ。みんなでちょっと川のほとりを散歩してみたが、早々に切り上げて宿に向かいました。

宿に着いたのは16時ちょっとすぎ。予定よりだいぶ早い。行程をだいぶカットしたからなあ。でもおかげでゆっくり風呂につかり、部屋で大相撲でも見ながらのんびり できました。

18時。お楽しみの夕食の始まりです。今回はカラオケ設備つきの別室を用意していただきました。まわりに気兼ねなくにぎやかに楽しめそう。
会長の開会あいさつに続き、生ビールの乾杯で宴は始まりました。腹が減ってはいくさはできぬ。まずは料理に箸を伸ばすみんな。品数も多くどの顔も満足そうです。 スタートはお行儀のいい静かな食事風景でした。しかしこれは、嵐の前の静けさでしたね。腹にものが入り、ひといきついて始まったカラオケ大会。これからがすごかった。

我こそはとマイクを持つ人は、とぎれることを知らず。多くは自分の名調子に酔い、自己陶酔の世界にどっぷりつかっていました。中にはスピーカーが壊れそうなほど元気な 歌声もありましたが。それらを聞く側もグラス片手に大喜び。その中で、「焼酎のお湯割り、ロクヨンでお願い」なんて声も聞こえる。歌声に誘われて、パートナーを つかまえてダンスを披露する人たちも。かくして宴はいつ果てるとも知れず。歌って、踊って、食べて、飲んでいるうちに、あっという間に時間は過ぎて、時計の針は 21時を指していました。

そろそろやめないと、仲居さんにも迷惑になりそう。ということで、最年長の那須さんの音頭で、万歳三唱をし、宴はお開きとなりました。こんなに盛り上がった宴会は 会が始まって以来、初めてのような気がします。これでカラオケ代も部屋代も無料なんですから、お宿には感謝、感謝ですね。これからどこかの部屋で、飲み足らない 男どもの2次会が始まることでしょう。

明けて日曜日。空には今日は青空が見える。みなさん、きげんよくお目覚めですか?さっそく小原庄助さんのごとく、朝湯を楽しんだ人もいましたね。朝食を静かに みんなでいただいた後、二日目の旅は始まりました。

まず向かうのは両子寺です。江戸時代より国東の寺院群を統括してきたお寺です。このお寺のひとつの見ものは、山門に立つ2体の仁王像です。国東最大で、また彫りも 美しく、この地を代表する仁王様です。駐車場にそのまま走ると見逃すところですが、今回は車を降りて寄っていくことにしました。仁王様を見上げたみんな。その たくましい足に触れてから、自分の足の調子の悪いところにさわると、そのたくましさにあやかって調子がよくなるとか。多くの人が触れていました。その効能がさっそく あらわれたか?、ほとんどの人が車に戻らず、境内をめざし石段を上って行きました。みんな元気だね。

護摩堂に上がって和尚さんのありがたく、おもしろい話を聞かせていただきました。護摩堂のご本尊は不動明王で酉年の方の守り神だそうで、何人かの酉年の人が前に 座りご加護を授かっていました。これからの人生、いいことあるでしょう。和尚さんの話は事前にお願いしたわけでもありませんが、添乗員として ありがたかったです。

このお寺は紅葉の美しさで知られたところです。紅葉はまだ最盛期ではなかったですが、緑の葉とのグラデーションもまた趣きがあります。そんな景色をめでつつ坂道を上って行くと 目の前に鳥居が。お寺さんに鳥居?国東地方はわが国固有の神様と仏教の仏を、同じところに祀って信仰するところ、ごく当たり前の風景です。その鳥居の向こうに70段 あまりの石段が見える。それを登ったところにぜひ訪れたい奥の院があります。崖にめり込んだような造りで、京都の清水寺に似ている。両手を合わせてお参りした後は、 奥の院左奥の小さな洞窟へ。この中に湧き出る水は不老長寿の霊水だそうです。みんなありがたくいただきました。これでみんな長寿間違いなしです。今回の旅では知恵も いただいたし、これからも長く楽しく生きていけそうですね。

続いて今度は車を安国寺集落遺跡公園に走らせます。弥生時代の集落の遺跡を忠実に復元した公園です。そこでは希望される方に弥生人の生活の一端を体験して いただきました。まず火おこし体験。舞いぎり法というそうですが、両腕の上下運動を細い棒の回転運動に変え、木の板に当てることで摩擦熱で種火を作ります。 那須さんと藤春さんが挑戦しましたが、コツがあってこれがなかなかむつかしい。どうしても力が入って棒がうまくまわらない。指導員の方の手助けを受けつつ、やっと 種火ができました。つぎにこの種火の上にかんな屑をたっぷり乗せて、火吹き竹で種火のあたりをがんばって吹く。下手したら酸欠になりそう。それでもふたりとも がんばって、吹き続ける。やがてかすかに煙が昇りはじめ、だんだん煙が濃くなって、突然ぱっと火が燃え上がりました。大成功。みんな拍手。吹いたふたりは ひと仕事終えてニッコリです。
勾玉つくりは好きな色を選んだ滑石の小さな板を、勾玉の大体の形に削り出すことから始まります。これが終わると、サンドペーパーで磨いて勾玉の形を作りだして いきます。みんな、手や顔やいろんなところを白くしながら一生懸命。しかし火おこしが終わったところで、作業を終了していただきました。後は自宅でがんばって、 カッコイイ勾玉を作ってください。できたら、来月のもちつきのときに披露してもらえたらうれしいです。

つづいて復元された弥生の村をゆっくり散歩しました。竪穴式住居ではその中に入れてもらい、出入りの苦労を実感しましたね。当時の人は今より背丈が低くそれほどの 苦労ではなかったのかな。つぎは湿地帯の沼の横に広がる高床式住居の群れ。階段らしき形のものがついていたが、我々にはとうてい登れない。これを上り下りして いたとは、よほど身が軽かったのか。この公園は吉野ヶ里のように観光地化しておらず、ひなびて趣きがありました。1800年前の風景はかくあったかと、 ふと思わせてくれました。

今回の旅は宗教にまつわる旅でもありました。神仏習合の国東でわが国の神や仏にふれ、最後の締めにキリスト教にまつわる場所に立ち寄りました。昼食のお店に向かう 道のそばにあるペトロ・カスイ岐部記念公園です。この地の生まれで、はるかローマまで赴き司祭となり、その後わが国に帰り、キリスト教弾圧の中、布教に一生を ささげた人物です。近世日本でもっとも世界を渡り歩いた人物として、「日本のマルコポーロ」「世界を歩いたキリシタン」と呼ばれています。合わせて10数年にも およぶローマへの往復の、気の遠くなるようなはるかな旅路。そして信仰に自分の信念をつらぬいた、その壮絶な人生の旅路にも思いをはせるひとときでした。

旅のスケジュールもラストに近づきました。おみやげを求めて道の駅「くにみ」に寄ったあと、昼食を用意していただいている涛音寮(とういんりょう) 茶房「さんがいや」へ向かいました。明治時代、造り酒屋の母屋として建てられた三階建ての建物が、改装されてその1階に「さんがいや」があります。今回は 和室にお膳を用意していただき、縁側には緋毛氈を敷いて、庭を眺めながらの昼食です。レストランのような喧騒とはまったく無縁。静けさの中、たこめし御膳など お好みの料理をゆっくりいただきました。こんな食事もいいと、好評のようでした。欲をいえば庭の紅葉が進んでいれば最高でしたが。

これですべての工程はクリアして、後は一路直方に向かって帰るだけ、のはずでした。ところが車が豊前ICに入るところでひと騒動。カーナビは「右に曲がれ」という。 「またこのカーナビが」と悪態をついて、強引に左折してインターへ入る。ちょっと走ったところで、後ろの方から「別府の向かっているのでは」の声。そんな馬鹿なと 思うが、大勢はこちら。一瞬青くなる。しかし頭の中の地図とどうしても合わない。下見のときの記憶も残っている。前日もここを通った。ポイントとなる分岐は、グーグルの 「ストリートビュー」で、運転席から見える景色として確かめた。なぜだ?どうして?の思いが頭の中をグルグル回る。だがしばらく走ったところで、間違いではないと わかり、胸をなでおろした次第でした。
ここで教訓。地図が新しいか古いか不明のカーナビを、むやみに信じるべからず。とくに新設のICやバイパスの近くでは。そしてそんなところはとくに、 「人間カーナビ」のデータを最新にしておくべし。正直なところをいわせてもらえれば、レンタカーならカーナビのデータを最新にしておいてほしいなあ。
なお「ストリートビュー」について興味のある方には、いっていただければ個別にお教えします。知らない土地に行く下調べに便利ですよ。

こんな一幕もありましたが、車は順調に走って、予定通りの時間に直方に帰着しました。二日間、安全運転であちらこちらとつれて行ってくださった花田さん。大変 ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。みなさんもお疲れ様。雨に振り込まれたり、宿で大騒ぎしたり・・・・後々まで記憶に残る旅となったことでしょう。 つぎは、年末のもちつき大会でお会いしましょう。

長い旅行記になってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
落ち葉を踏みしめ山道を登る 3人ならんで楽しい昼食です 下りの階段、一歩一歩慎重に
崖に刻まれた磨崖仏を見上げる ぼけないようしっかり水を頭に 雨の中、800年昔の田んぼを歩く
どこに行っても娘の安産を願う親心 奇岩と紅葉を横目にひとときの散歩 会長の挨拶から長ーい宴が始まる
まずは静かにしっかり食べてから 4人そろって何を歌ったんでしょうか 気分よく歌う人、ダンスを楽しむ人
宴は元気一杯の万歳三唱でお開き 仁王様の足に触れ足痛の快癒を願う 紅葉バックに願いの鐘がひびく
がんばった、奥の院への石段登り 全員元気に奥の院にお参りできました 夫婦仲よく勾玉つくりに夢中です
火おこしはコツがあって苦労しました 無事火がついて思わず感動の面持ち 竪穴式住居に弥生人の暮らしを思う
こんなはしごでどうやって登ったの 信仰に生きた江戸時代の神父像前で 緋毛氈に座り庭を見ながらの昼食
紅葉がきれいな両子寺で              弥生の村の家並みをバックに
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