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(001) 高松さん、前田さん、福岡県身体障害者体育大会で優勝。(2005. 5. 8)

 5月8日に博多の森競技場で開催された、福岡県身体障害者体育大会の水泳の部に、高松久さんと前田鈴子さんが出場しました。
 おふたりともに大健闘され、高松さんは25m背泳で、前田さんは25m自由形でそれぞれ優勝しました。
 とくに前田さんは大会新記録という堂々たる成績でした。高松さんは目標とした自分の昨年の記録にはわずかにおよばなかったそうです。

    〔大会成績〕
  高松さん  種目 25m背泳     記録 20秒55
  前田さん  種目 25m自由形   記録 26秒71 (大会新記録)
    ※前の大会記録は30秒・・・(秒未満の数字は不明)で、実に3秒以上の
     短縮です。すばらしい成績ですね。

 前田さんは今回の成績を認められて、第60回国民体育大会 晴れの国おかやま大会にひきつづき行われる 第5回全国障害者スポーツ大会 輝いて!おかやま大会に、福岡県代表として参加されることになりました。
 全国大会でも、持ち前のファイトでがんばってください。


高松さん 前田さん
 朝のジョギングの前に。メダルが輝いていますね。
 「1年後はもっとスリムになるぞ!」
 オリンピックなみに「メダルを噛んで」とお願いしたら、それは「全国大会でメダルを取ってから・・・」


 今、輝いているおふたりにお話をうかがいました。まず前田さんから。

  − 水泳を始められたきっかけはどんなことでしょうか?
 <前田>  腰などが痛いとおっしゃるお客さんに、「水中ウォーキングがいいそうですよ」とすすめていたんです。そんな自分が腰やひざに痛みを感じるようになって。

  − それでスイミングスクールで水中ウォーキングを始めた?
 <前田>  ええ。それが行ってみたら、年配の人がスイスイ泳いでいたんです。そんなのを見ると、せめてクロールだけでも・・・と思って。それが2年くらい前です。

  − それですんなり泳げるようになったんですか?
 <前田>  とんでもない。私って本当はちょっとドンくさくて。息継ぎができるまで1年くらいかかりました。でも、それができるようになってからは、水の中が楽しくて、ただただ泳ぎまわりました。

  − それで、福岡大会に参加してみようと思ったのは、どういうことからですか?
 <前田>  日頃から高松さんが、がんばっているのを知っていて、それに触発されたんです。。最初はちょっと参加するだけのつもりが、私は根が熱中するタイプで、みんなにおだてられるうちに、ついその気になってしまいました。

  − スタート台に立ったときの気持ちは?
 <前田>  興奮というか、緊張しっぱなしで、胸はドキドキして、深呼吸ばかりしていました。スタートしたあとのことはよく覚えていません。

  − ゴールした瞬間に感じたことを教えてください。
 <前田>  正直、ああ終わった・・・と。そして、すぐに「大会新記録です」というアナウンスがあったんですが、「やった!」という思いと、「えっ?これで?」という感じが両方ありましたね。

  − 今回のタイムは自分では予測していましたか?
 <前田>  全然。大会新記録なんてことはもちろん、26秒台とかまったく思いもしなかった。実はコーチが練習のときタイムを計ってくれたんですが、「ああ、大体30秒だな」なんて。だから私、それくらいが実力と思っていました。

  − 全国大会に向けての抱負を聞かせてください。
 <前田>  金メダルを取るぞ!・・・なんて大風呂敷を広げてたら、帰ってこれなくなるかな。(笑) でもまた目標ができて、この夏はますます水泳に熱中しそう。

  − 今、どのくらい練習をしていますか?
 <前田>  週2回、仕事時間中に抜け出して。その分、主人ががんばってくれています。おとうさん、ありがとう!!

  − これからの目標とか夢とかいったらどんなことですか。
 <前田>  まず、80才になっても泳いでいたい。まわりにはそんな方がたくさんいらっしゃるんですよ。それと、本当にユメかもしれませんが、まだ視力が残っているうちに、南方の明るい海を水中散歩してみたい・・・です。ムリかもしれないけど夢は持ち続けたい。

  − 水泳を始めてよかったことはなんですか?
 <前田>  まず、水泳を始めるきっかけとなった、腰やひざの痛みを感じなくなったことですね。ストレスの解消にもなっていると思うし、それと自分にとって新しい世界がまたひとつ開けたことにも喜びを感じています。。

 「いつもなにかにトライしていたい」とおっしゃる前田さん。話をお聞きしながら頭の下がる思いでした。
 ではつぎに、高松さんに少しお聞きしましょう。

  − 今回の大会での目標はどこにおいていましたか?
 <高松>  去年の自分のタイムを破ることだったけど、0.3秒くらいとどかなかった。

  − ということは優勝といっても、結果には満足できない?
 <高松>  ええ、もちろん。自分としてはいけるつもりだった。でも、水のかき方がちょっと足らなかった、ほんのわずかの差なんだけどなあ。

  − その辺の原因はどんなことでしょう?
 <高松> やっぱり練習不足ということでしょう。ゴルフやらなにやらいろいろしたいことがあるし、仕事もがんばらないといけないし。でも、それらをまとめて根本的なところにあるのはウェートオーバーと思います。水泳にしろゴルフにしろ、汗をかいたあとのビールはうまいからなあ。     

  − これからの目標といったものを聞かせてください。
 <高松>  もう一度全国大会をめざしたい。背泳に種目をかえれば(前回は自由形)、資格はあるそうなので。でも選ばれるためには18秒台が必要で、ハードルが高いんですよ。     

  − 最後に、全国大会に出場する前田さんにエールをおくってください。
 <高松>  そうですね、「練習をいっぱいしてメダルを取れ!自分に続け!」    

 おふたりと話して思うことは、なにごとにも積極的であるということ。そして、障害にめげることなく、むしろ障害を持つことを、自分の生きていくうえでのバネにも糧にもされているということです。
 みなさん。やれ年をとっただの、体力が衰えただの嘆いている場合じゃないですよ。自分のできることからがんばろうじゃありませんか。
  
 
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